アレルギーとは
体内に侵入しようとする病原体や異物を認識し、排除する生体システムを免疫といいます。免疫が働くことで、次に同様の病原体や異物が侵入しても、前回作られた免疫が反応してその病原体や異物を撃退してくれるようになります。
この免疫が、本来であれば身体に無害なものに対しても働き、さまざまな症状を引き起こすことをアレルギーといいます。
アレルギーから生じる代表的な皮膚の疾患にはじんましんや薬剤アレルギー、アレルギー性の接触皮膚炎などがあります。アレルギー疾患では症状を治療するのと同時に、原因となる物質を見つけて排除することがとても大切になってきます。
当院では以下のようなアレルギー検査を行い、原因となる物質を特定していきます。
検査や診察の結果、命に関わるアナフィラキシーショックを生じる可能性がある場合はエピペン®を処方します。
皮膚科領域の主なアレルギー疾患
- じんましん
- 薬剤アレルギー(アレルギーによる薬疹)
- アレルギー性接触皮膚炎 等
アレルギー検査
アレルギー検査とは
アレルギーの原因が何かを調べるために行う検査をアレルギー検査といいます。血液検査や薬剤添加リンパ球刺激試験などがあります。プリックテストに関しましては重篤なアレルギー反応を起こす危険性があるため行なっていませんが、ご希望であれば速やかに実施している病院へご紹介させて頂きます。
また、当院のアレルギー検査は原則として成人の方が対象になります。
血液検査
血液検査では、アレルギーの原因として疑われる物質の特異的IgE抗体を調べます。アレルギーの原因がはっきり分からないという場合には、ペット、ダニ、カビ、樹木、花粉、食物などの中からアレルギーを起こしやすい物質の特異的IgE抗体を一度にまとめて調べるスクリーニング検査もあります。
パッチテスト(貼布試験)
アレルギー性の接触皮膚炎や金属アレルギー、薬剤アレルギーなど遅延型アレルギーの原因になる物質を調べる検査です。アレルギーの原因として疑われる物質(化粧品や薬剤など)を基材に混ぜたものなどをパッチテスト用絆創膏にのばして皮膚に貼ります。48時間後に剥がして皮膚の状態を観察して判定します。72時間後、1週間後にも判定を行い、アレルギーの原因を特定します。
当院では日本人で接触皮膚炎の原因となる可能性のある物資22種類を一度に検査することのできる佐藤製薬のパッチパネル®を採用しています。検査は予約制です。お電話にてご予約をお願いします。
プリックテスト
食物アレルギーなど即時型アレルギーの原因を調べる検査です。アレルゲン液や実際の食べ物を使い、専用の針を用いて皮膚表面に傷を作った後、15分後の皮膚の状態を観察して判定します。
※当院では行っておりません。
薬剤添加リンパ球刺激試験(DLST)
血液を利用して薬疹の原因を調べる検査です。血液中のリンパ球を培養して実際に薬剤と反応させて判定をします。この検査では陽性になる確率が低く、陰性だからといって薬疹の原因薬であることを否定できるわけではありません。